2014/07/17(木) 23:59 【 EDIT

プロローグ

3D小説「bell」 → 7月24日(木) / 7月24日(木)14:00~25:15
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 ベルの音が聞こえる。
 それはありふれた電子音だった。
 電話のベル? 2回か3回、鳴り響いて消えてしまう。
 ぼくは目をひらく。

 部屋は暗い。
 カーテンの隙間から射し込む月の明かりで、なんとか辺りの様子がわかる。
 時計をみると0時を指していた。眠い。
 ――そうだ、ベル。
 あの音は、どこから聞こえたんだろう。
 ぼくはベッドの上で身体を起こす。と、また。ベルの音が聞こえた。
 すぐ近くだ。枕の辺り。
 みると大きなくつしたが、ぺろんと落ちていた。ぼくのじゃない。ベルの音は、そのくつしたの中から聞こえたようだった。
 ぼくはくつしたを逆さにしてみる。
 シーツにぽとんと、スマートフォンが落ちた。一緒に、まるまった充電コードも出てくる。
 ――どうしてくつしたに、スマートフォンが入ってるんだろう?
 だれかのいたずらだろうか。
 ぼくはスマートフォンを手に取った。
 ホームボタンを押す。メールが届いていた。
 発信元のところには、「制作者」と書かれている。
 制作者? いったい、なにの?
 ぼくはねぼけた目をこすって、メールを開いた。

 おめでとう。きみは「読者」に選ばれた。
 この物語を救えるのは、きみたちだけだ。


 読者? わけがわからない。
 ぼくはしばらく、スマートフォンをいじってみる。
 ほとんどまっさらみたいだ。音楽も写真も入っていない。ゲームのアプリもない。アドレス帳には2件だけ登録がある。
 ひとつは、「制作者」。
 もうひとつは、「主人公」。
 主人公ってだれだよ、と呆れる。
 ホーム画面にはツイッターのアプリがあった。
 ぼくはそのアイコンに触れる。もしかしたら、スマートフォンの持ち主がわかるかもしれない。
 パスワードを入れなくてもログインできた。
「少年」という名前で登録されている。アカウント名は「@3d_bell」。
 タイムラインには、ひとつだけツイートがあった。
 ――始まりのベルは、7月25日、午前0時に鳴り響く。
 よくわからない。プロフィール欄を確認してみるけれど、そこにあるのも不思議な文章だった。

 ルールその1。発言には「#3D小説」をつけてください。
 ルールその2。周りのひとの迷惑にならないようにいたしましょう。
 その3以降は、とくにありません。

 現実味がなくって、まるで夢の中にいるような気分だ。
 あんまり眠くて、ぼくはころんとベッドに横たわる。
 寝ぼけた頭で文字を入力した。

このアカウントが登録されているスマートフォンを拾いました。持ち主をご存知の方、だれかいませんか?#3D小説


 ツイートしてすぐに、眠気に逆らえなくて、ぼくは目をとじた。

3D小説「bell」 → 7月24日(木) / 7月24日(木)14:00~25:15
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