2014/07/25(金) 23:52 【 EDIT

【メリー】 7/25 公開されなかったシーン / 書籍P:130

7月25日(金) / 7月25日(金)11:00~22:45 ← 3D小説「bell」 / 【概要】 → 7月26日(土) / 7月26日(土)8:30~24:30
-----------------------------------------------------------------------------

 オレンジ色の光が、列をなし、順に、後方へと流れていく。
 私はバスの座席に座り、じっと窓の外を眺めている。
「物語はすでに動き出した」
 と、アルベルトが言った。
「ソルがバッドエンドを書き換えていく」
「そんなことになにか意味があるの?」
「意味をみつけるのは君だ」
 窓ガラスには、悲しげな顔でこちらをみているアルベルトが、淡く映り込んでいた。虚像の彼女とも目を合わせないようにして、私は首をふる。
「彼らは未来を書き換えるのでしょう?それでは無意味よ。私が変えたいのは、過去なのだから」
「プレゼントを使って」
「そう。新しいプレゼントを生み出して」
「でも君には、それができなかった」
「ええ。センセイは私を選ばなかった」
「それは違う。センセイはどちらが悪魔なのか、定義していない。君だって救われるべき少女だ」
「嘘よ。センセイは『あの子』さえよければどうでもいいの。彼のことなんてなにも考えていない」
 アルベルトは口をつぐむ。彼女だって知っているのだ。彼の幸福は踏みにじられている。
 最後尾の座席から、声が聞こえた。
「そろそろ、トンネルを抜けるよ」
 少女の声。センセイが救われるべきだと定義した少女の声。
 バスがトンネルを抜ける。

 その先の光景は見知ったものだった。
 何度も何度もみた。「彼が元に戻る」景色。
「私はただ、彼を救いたいだけなの」
 センセイが救おうとしない彼を。
 私か、少女のどちらかが、そう言った。


7月25日(金) / 7月25日(金)11:00~22:45 ← 3D小説「bell」 / 【概要】 → 7月26日(土) / 7月26日(土)8:30~24:30
-------------------------------------------------------------------------------------------
スポンサーサイト
コメントの投稿
URL:
COMMENT:
編集用PASS【任意】:
SECRET: 管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL