2014/07/27(日) 23:56 【 EDIT

【ある侵入者の回想2】 7/27 公開されなかったシーン / 書籍P:208

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 割れた王将からみつかった鍵は、少し曲がっていた。おそらくは消火器で叩き割った影響だろう。その後から金槌がみつかる。部屋の主も、王将が割られることを望んでいたようだ。――どうして? わざわざ鍵を隠し、そのヒントを部屋中にちりばめる理由がわからない。
 曲がった鍵は、それでも充分に機能を果たした。鍵のかかっていたファイリングキャビネットが開いた。
 中からみつかったのは、背表紙に矢印のついた、いくつものカラフルなバインダーだった。赤、青、黄色、緑。4色だ。
 バインダーにはなにも挟まっていなかった。ただそれぞれにテープが貼られており、そこに将棋のコマのようなマークと、数字がそれぞれふたつずつ書かれていたと記憶している。
 一方で、初めから発見されていた将棋のコマにも、小さな丸いシールが貼られていた。こちらもバインダーと同じ、赤、青、黄色、緑の4色。どうやらバインダーに書かれている数字と対応させて駒を並べると、詰将棋の図面になるようだ。
 あの時、ソルたちはその詰将棋に夢中になっていた。でも私は、そんなものにはなんの興味もなかった。
 部屋でみつけ出すべきものは、依頼主からはっきりと指示されていた。私は彼ら――ソルたちに気取られないよう静かに、ふたつの「目的」に近づいた。
 部屋のチャイムが鳴ったのは、そのころだった。


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